特別講座『アリス』の英語劇発表せまる 特別講座『アリス』の英語劇発表せまる

全体練習で立ち位置を確認

今年度の特別講座の一つ「英語でドラマづくり~「アリス」の世界に親しもう~」に参加した生徒たちの発表が間近に迫りました。

この講座は、津田塾大学の吉田真理子先生と石川めぐみ先生のご指導の下ドラマ(劇)を作ってみようという内容で、今回は『子供部屋のアリス(THE  NURSERY  “ALICE” )』(ルイス・キャロルが『不思議の国のアリス』を子供への語り聞かせの形に書き直したもの)が題材です。

授業は5月から始まり週1回(年16回)行われました。参加した生徒は、最初こそ緊張している様子でしたが、全身で表現しながらの自己紹介などでしだいに仲良くなっていきました。授業では先生方の熱のこもったご指導を受け、学部生・大学院生にも助けてもらいながら題材への理解を深め、直前の授業では各Actの動きやせりふを丁寧に確認しながら劇に磨きをかけていました。

 

【 発表会に向けての生徒の意気込み 】

Tさん(中3):私がこの講座に参加した理由は英語劇に興味を持ったからです。この講座でアリスの世界を感じることができたので、本番ではお客様にこの世界観をお伝えできればと思います。

Nさん(中3):原作ではテーブルやドアなどにはセリフがないのですが、今回の劇では登場するモノたちにもセリフがあり、それがアリスの世界の魅力をより盛り立ててくれていると思います。自分もその世界に溶け込めるよう、精一杯がんばりたいと思います。

Kさん(中1):今まで1年間みんなで一生懸命頑張って練習してきました。本番で緊張してセリフが飛んだりしてしまうと思いますが何とか良い作品になるように頑張ります。

Act2一同(中1):今まで1年間、みんなで練習をつんできました。一から英語のドラマを作るのは難しそうだと思いましたが、毎週みんなで意見を出し合い無事に作り上げることができました。緊張していますががんばります。

他の生徒も意欲的に楽しく取り組んでおり、本番が楽しみです。

 

特別講座「国際NPOせいぼ」石川大貴先生“ギフティッドと社会貢献” 特別講座「国際NPOせいぼ」石川大貴先生“ギフティッドと社会貢献”

特別講座「国際NPOせいぼ」今回のゲストスピーカーはギフティッド国際教育研究センター代表の石川大貴先生。配られた資料には「Neurodiversity」の文字がありました。
ニューロダイバシティとは、脳の機能や発達の多様性を肯定的にとらえる考え方・運動のことだそうです。石川先生は、“発達障害”と言われる特性を“発達多様性”ととらえ、その特性を“才能(ギフティッド)”として育てる活動をしています。
「活動では、共有体験が大切です。海外の教育機関と連携し、発達の特性があるカナダと日本の若者が一緒に八ヶ岳や富士山に登ったり、キャンプをしたりするプログラムを行いました。2年前から宇宙教育も始めています。」と石川先生。多摩川の河川敷に据えられたロケットが発射される動画が紹介されました。この、ペットボトルを使った水ロケットの作成と発射も、宇宙を体験するプログラムの一つです。
「では、宇宙開発の技術と、国際貢献との関係は?」と先生は質問しました。ヒントは色分けされた世界地図。狂犬病の死者数を示したものです。私たちが支援しているマラウイは、年間500人の死者が出ており、犬の予防接種率を上げてWHOの目標である70%を目指すことになりました。
ここで、人工衛星による地理情報システムを使ったデータ解析が登場します。飼い主が足を運べるよう、予防接種会場をどんな間隔で設置すれば良いか…答えは812メートル以内。効率的に設置された会場のおかげで戸別訪問による接種はいらなくなり、コストが大幅に下がって2018年には目標の70%が達成されたそうです。

今回は、コーヒーの生産地として知ったマラウイが、狂犬病を克服していった過程とそれを支えた技術を知る機会となりました。授業が終わったあとも石川先生に質問する生徒の姿が見られ、関心の高さが伺えました。

特別講座「国際NPOせいぼ」前回の記事はこちら

石川大貴先生。不登校支援、ひきこもり支援もされているそうです。

 

 

 

 

 

 

高二 漱石文集(続) 高二 漱石文集(続)

前編に続き、高二 漱石文集の一部を紹介します。

・私も、相手を的確に理解し、相応な態度をとったか、思い返して後悔することがある。しかし、後で振り返ると、後悔や不安を感じる過去があったから今の関係性が築けているように思う。人間関係は不透明だからこそ、互いに受容しあい、歩み寄る努力をする。これから先、人間関係に悩むこともあるだろうが、他者との関係性を客観的に見つめ、相手を理解し尊重しようとする主体的な心を忘れずにいたい。

・相手の良し悪しを、自身の主観で判断することから逃れられないのであれば、最終的に自分の裁量を信じるしかないように私は考える。そもそも、「私とは何か」という問いに答えること自体が難しいことであるのに、どうして他者を完璧に理解することができるだろうか。相手に寄り添うには、只管相手と会話し、自身が感じたことや捉えたことを覚悟して信じるしかないのである。

・漱石の身辺雑記や思索が生き生きと綴られた『硝子戸の中』を、最後まで自分の考察と共に読破したことを、誇りに思う。この作品を通して漱石という作家に出会えたことは、私の中の自信の大きな軸となり、同時に私の人生においての価値ある経験となった。

・近年、「居場所」という言葉が、現代社会を取り巻く多様な問題の中で頻繁に用いられるようになった。とりわけ、悲惨な事件の背景として、居場所のなさが指摘される。こうした居場所のなさは、個人主義の加速による社会的紐帯の希薄化が一側面としてあると思う。自分の存在意義を疑って不安に襲われることもある現代人に対して、漱石は、彼の母が示したような無条件の赦しを示してくれるのではないだろうか。

・この先、 私はどうなるのだろう。より深い絶望と対峙し、傷付けられるかもしれない。 しかし、私は時と共に強く生きていこう。 苦悩の先で、私はその絶望をも 「微笑」することができるかもしれない。Time tames the strongest grief.

・『硝子戸の中』 を通して感じられた、漱石の生に対する嫌悪のかげに確かに漱石を受容する生があったのだと暗示したこの章は、 漱石だけでなく私たち読者をも救済する。 努力による自己救済を基軸とするこの社会の中で触れた無条件の赦しは、忘れがたい温かみを持っていた。

前編の記事はこちら
 

高二 漱石文集 高二 漱石文集

高二文系の生徒は、文学国語Ⅰを履修します。半年かけて漱石の随筆『硝子戸の中(うち)』を読み、徹底的に考え、それを繰り返し表現していきます。学びと思索を通して一人ひとりが漱石の「不可知の深淵」に迫った経験を書き記したものは、「漱石文集」としてまとめられます。その内容の一部を紹介します。

・自身を、「今日も明日も死なずに生きている」事実を当然だと安直に受け取る人間の一人だと見なしながらも、運命や時の支配に翻弄される人間を俯瞰する姿勢は、余裕のある作家・漱石としての姿を如実に表しているといえるだろう。

・世界は多面的で、 私たちがどの側面に目を向けるかによって感じ方は変わる。 目を背けたくなるような一面がある一方で、美しい側面も沢山あるからこそ、 漱石が書くように人間の根本義は生の上にこそ存在するのであろう。

・生きるとは何か、悶々と考えていると視界はどんどんぼやけてくる。 何も分からなくなる。だがこのような読書体験が、 この世を分かった気にさせてくれる。 それが私を少し生きやすくする。 私は生きることで、私の思う美しい生き方を見つけていきたいと強く思う。

・漱石にとって「死」は理想であった。時の支配を受けず、虚偽やエゴイズムとは無縁の絶対の境地である死を、時に漱石は「人間として達し得る最上至高の状態」とさえ表した。しかし、その理想の境地に辿り着くことよりも、漱石は己の弱点を発揮しながら人間の現実である「生」を生きていくことを選んだ。

・ 『硝子戸の中』で、漱石は真実を見極める目をもって世の中を眺め、一方的な批判をせず、自分の原体験を振り返り、丁寧に言葉を紡いでいる。現代の大変多事な世の中で、寸暇を惜しむ私達は、効率の良さばかりを追求し、自分の中で考え言葉を紡ぐという作業を疎かにしがちである。しかし、紡がれた言葉はたとえ忘れられたとしても、本質は記憶の底に沈殿し、いつまでも心の中に残り続ける。この経験こそが現代の私たちにとって、本当に大切なことなのかもしれない。(続編に続きます)

右の2冊が漱石文集。表紙も生徒の手になるもの。

 

特別講座「国際NPOせいぼ」萩原達也先生 ‟言語化の大切さ” 特別講座「国際NPOせいぼ」萩原達也先生 ‟言語化の大切さ”

特別講座「国際NPOせいぼ」1月最後の回のゲストスピーカーはRUN.EDGEの萩原達也先生。RUN .EDGEはスポーツや教育の映像分析等のツールを開発している企業で、日本のプロ野球のほぼすべて、メジャーリーグでも多くの球団が導入しているそうです。萩原先生はITの技術者?そうではありません。「もとの職業はこの映像にありますよ」とプロ野球の試合風景が教室に流れました。バッターの後ろに、プロ野球の審判をしていたころの萩原先生が映っていました。
先生は質問しました。「審判は失敗すると“あるもの”を受けます。漢字4字です。何でしょう?」「…解雇通告?」「違います。誹謗中傷です。」今はSNSであっという間にいろいろな言葉が流れてしまいます。 間違っていなくても“誤審”というワードを使い、再生回数を稼ぐ意図を持って投稿される動画もあるそうです。
萩原先生は「言語化」の大切さを指摘しました。正しい「言語化」は信頼を生み「共感→尊敬」や「友情」に繋がります。一方で誹謗中傷は言語化の失敗の例。指導者などによるスポーツハラスメントも言葉の暴力ですから失敗。一方、ビジネスで大切なのは言語化すること。私たちは何に気を付ければ良いでしょう?
生徒たちは国際NPOせいぼの活動と重ねあわせて言語化について考えました。講座の活動の中心はコーヒー販売を通じた給食支援ですが、どんな方法で、どうやってその大切さを関係者に伝えていけばいいでしょう。
「言葉は大切なツール、支援をよくする方向に使っていきたい」という生徒の声には実感がこもっていました。

特別講座「NPOせいぼ」前回の記事はこちら

萩原達也先生。「スポハラから子供達を守ろう!」のオンライン署名活動(change.org)など、スポーツハラスメント撲滅の活動もされているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーヒー販売と言語化についての生徒のアイディア。「販売」ではなく「寄付」にするのはどう?

 

特別講座「国際NPOせいぼ」ユースワーク・林栞さん 特別講座「国際NPOせいぼ」ユースワーク・林栞さん

特別講座「国際NPOせいぼ」に、今回はゲストスピーカーとして林栞さんが来てくださいました。
林さんは、NPO法人文楽舎(ぶんがくしゃ)に所属、子どもや若者の支援活動であるユースワークをしています。その内容は学習支援や食事、居場所づくりから、“平和”や“気候変動”など正解のない問いをみんなで話し合う「金の学び」に至るまで、実にさまざま。光塩の生徒から見れば、年齢的には少しだけ先輩の方、ですがユースワークの活動は10年を超えています。
大学時代のタイ留学、カンボジアでのボランティア活動を通じて、当たり前と思っていたことが必ずしもそうでないとに気づくと同時に、日本社会の問題が俯瞰して見えるようになったという林さん。今は、いろいろな事情を抱える子どもに寄り添って、独りぼっちじゃないと伝えることが希望、と話してくださいました。
生徒たちは真剣にお話を聞きながら、協働について考えました。コーヒー販売とマラウイの給食支援をスタートに、この講座が目指すものを、もっと広げて行くとしたら? むしろ身近に活動の場があるのかもしれない…講座の名前に「国際」とあるけれど、支援が必要な人はそれこそ東京の若者の中にもいるわけで…。考えるうち、生徒たちは今学期のテーマ「協働」のイメージをつかみ始めたようです。

特別講座「NPOせいぼ」前回の記事はこちら

「興味を持ったことには一歩踏み出すこと、現地に行って自分の目で確かめることが大切」と語る林さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文楽舎のほか、教会こどもスタッフやカタリバ アダチベースでも活動中だそうです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別講座「国際NPOせいぼ」FTSL越久陽子さんの講演 特別講座「国際NPOせいぼ」FTSL越久陽子さんの講演

特別講座「国際NPOせいぼ」では、海外からの学生インターンや、第一線で活躍中の方が来校し、フェアトレードやSDGsの実践についてお話を伺う機会があります。
11月にはFTSL(フェアトレードショップリスト)の越久陽子さんが来てくださり、現在進んでいる、ウェブサイトを通じた78店舗におよぶフェアトレード企業の紹介・発信や、企業と消費者を有機的に結ぶイベント(特製フェアトレードパンの試食会も!)などの取り組みについてお話しくださいました。越久さんは、学生時代はインドでフィールドワークをしながら貧困問題について学び、学ぶことを越えてこの問題に迫りたいと試行錯誤し悩んだとき、知人からある美しい財布を贈られたのだそうです。金の刺繍が施されたその財布はフェアトレード商品だった…という出会いのエピソードに、生徒は聞き入っていました。インテリア関係の会社でフェアトレード商品を扱ったり、無駄の少ないエシカルウエディングの企業での勤務の経験をお持ちの越久さん。「働くこと」と「国際貢献」について、視野が広がる貴重な機会になりました。

フェアトレードショップリストの活動はさまざま

 

 

 

 

 

 

 

 

越久さんのキャリアについてのお話

特別講座「オルガンを弾こう」 特別講座「オルガンを弾こう」

水曜6時間目は自由選択のいろいろな特別講座があります。写真はそのひとつ、特別講座「オルガンを弾こう」のようすです。

オルガンといっても、メルセダリアンホール(講堂)の専用の部屋にある大きなオルガンです。このオルガンに触れ、ピアノとは違うタッチや音色を味わえる講座です。

この日は高校生二人がクリスマス会での演奏へ向けた練習中。ホール内にはバッハやクリスマスメドレーが響いていました。

そのほかの特別講座の紹介記事はこちら

連弾の練習中です!

 

 

 

 

 

 

 

写真の右上にオルガン室が見えています。メルセダリアンホール(講堂)内のようす。

 

 

 

 

 

日本女子大学科目等履修生の授業が始まりました! 日本女子大学科目等履修生の授業が始まりました!

2学期から、高大連携協定に基づき、高等科生(2・3年生)希望者対象の日本女子大学の講義(オンライン)が始まりました。受講した生徒からは、「『舞台芸術の歴史』ではシェイクスピアのハムレットなどの作品の背景について学びました。授業を踏まえたあらすじのレポートなどが課されますが、とても楽しいです。」「『歴史から見る現代世界』の授業では、たとえば中世ヨーロッパのペットの歴史などについて学びました。高校の教科書には載っていない事柄を研究者の観点から詳しく解説していただき、大学での学びが楽しみになる貴重な体験となりました。」との感想が寄せられました。

特別講座「国際NPOせいぼ」バリスタ・大村美咲さんと『循環』(続) 特別講座「国際NPOせいぼ」バリスタ・大村美咲さんと『循環』(続)

11月の特別講座「国際NPOせいぼ」に、再び、大村美咲さんが来てくださいました。大村さんは前回、おいしいコーヒーの淹れ方を教えてくださったあと、循環のお話をしてくださり「詳しくはまた今度」と続きを予告していました。
再び、「循環にはどんなイメージがありますか?」と大村さんの質問が教室に投げかけられます。リサイクル、円、還暦…みんな思いつくことを挙げてゆきます。葉が茂り、実がなり、やがて朽ちて土にかえる木の循環もあります。循環は「ひとまわりして元に帰りそれをくりかえすこと 」ですが、それだけではありません。イメージとしては、回りながら発展してゆくものです。
「では、マラウイコーヒーの生みだす循環とは何でしょう?」と大村さん。コーヒーの売り上げはマラウイの給食支援に使われます。では支援をうけた子供たちはその先どうなるでしょう。学校に通い、教育を受けて成長します。
「給食支援の周囲にも意識を向けながら販売できるとよいですね」という言葉に、生徒たちは、コーヒー販売の活動の先に思いを向けていました。

バリスタ・大村美咲さんの前回の授業はこちら

「循環」というとどんなイメージがありますか?と大村さん。