このたび、学校法人光塩女子学園の理事長に就任いたしましたべリス・メルセス宣教修道女会会員の西岡まゆみです。この職責を、神のあわれみと慈しみに信頼して果たしていきたいと願っています。
光塩女子学院は、1931 年に創立いたしました。この日本の地に、スペインの「べリス・メルセス宣教修道女会」の福者マドレ・マルガリタの精神・理念によるカトリック教育の種が蒔かれたのです。光塩女子学院は、以来 92 年の歴史を刻んでまいりました。その間、激動の時代にあって、さまざまな苦難を乗り越えて現在まで建学の理念を持ち続けることができましたのは、皆さまの大きなご支援の賜物と、心より感謝いたしております。
創立者マドレ・マルガリタは聖書の「あなた方は世の光です、あなた方は地の塩です。」(マタイ5.13~16)とのキリストの言葉を校名として、ここに学ぶ一人ひとりに「今あるがままのあなたこそ、神からこよなく愛されているかけがえのないユニークな存在である。そして人間とは、光や塩のように、他者と関わり合いながら存在する姉弟姉妹である。」との確信を生きるようにと呼びかけられたのです。その創立の原点・建学の精神は、今も変わることなく大切に継承されています。
世界中で、戦争、紛争、虐待、差別、さまざまな災禍が続き、価値観の錯綜する現代社会の中にあって、人は、「生きることの真の意味」を問いかけられ続けています。こうした社会だからこそ、希望を失うことなく「もう一人の友のために」「喜びと光をまき続ける関わりの人」として、人間の尊厳をめざして前進、努力していく女性を社会に送り出す使命の大切さを痛感しています。
これからも光塩女子学園の建学の精神を継承し、園児、児童、生徒一人ひとりの豊かな成長をめざして、保護者の皆さま、教職員と共に心を込めて、微力ながら丁寧に関わっていきたいと願っています。皆さまのご支援とお力添えを心からよろしくお願い申し上げます。
西岡 まゆみ